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鉄骨住宅と耐震性

耐震のイメージ

鉄骨住宅の耐震性とは

基本的に鉄骨住宅は、地震を想定している住まいです。使用建材に鉄骨やコンクリートなどを使用することになり、木造などよりも耐震性を高くしており、同時に耐久性にも優れている工法です。特に耐震性に注目して木造、鉄骨工法、RC・SRC工法を比較すると「RC・SRC工法>鉄骨工法>木造工法」となります。

鉄骨工法やRC・SRC工法で建てられた住宅が地震に遭遇すると、建物自体が一緒に揺れることで衝撃を逃がします。

また、より耐震性を向上させる場合には、制震装置や免震装置などを用いることもあります。柱や梁、屋根などの部位に鉄骨などを使用することで、さらに耐震性を高めるとこも可能です。

木造工法の耐震性について

日本の新築住宅のうち70%は、「在来軸組工法」と「枠組壁工法」のどちらかの木造工法を採用しています。

「在来軸組工法」はどんな土地とも相性がよい工法です。柱と柱の間に筋交い(すじかい)を入れて耐震性を確保するのが特徴。主に木の柱と梁の強度で建物を支えます。ほかの工法に比べて家が軽くなるので、地盤への負担がかけにくいのがメリットです。

「枠組壁工法」は北アメリカで生まれた工法で、地震や台風などの自然災害に対応できる設計が特徴。木材で作られた枠に構造用の合板を張ったものを使うので、在来工法に比べてスキマなく組み合わせられます。気密性と断熱性に優れているだけでなく、風を通しにくいというメリットがある工法です。

鉄骨工法についての耐震性について

鉄骨工法は柱、梁といった建物のメインとなる材料を鉄や鋼などで作った構造です。鋼材の厚みが6mm以上で「重量鉄骨」6mm以下のものを「軽量鉄骨」と呼びます。そのうち、住宅に向いているのは軽量鉄骨です。工場で材料を生産、管理しているので、工期が短くなります。

鉄骨住宅の建設に用いられる鉄骨工法の耐震性は、木造に比べて建物自体が重く、強くなるのが特徴。しかし場所によっては地盤改良をしなければなりません。カテ物自体が重くなるからです。土地の地盤は建設に重要なポイントといえるでしょう。

鉄骨工法は「ラーメン構造」「ブレース構造」の2種類。ラーメン構造は鉄骨を剛接合して耐震性を高めた工法です。ブレース構造は筋交い構造とも呼ばれる構造で、比較的大きな荷重にも耐えられます。

RC・SRC工法の耐震性について

RC工法は、鉄筋と呼ばれる鉄の芯と丈夫なコンクリートで建設する方法で、木造工法、鉄骨造よりも耐震性に優れています。音を遮断し熱にも強く、遮音性や断熱性・耐熱性があるのも特徴です。一方で、木造工法や鉄骨工法に比べて比較的工期は長くなるといわれています。ほかの工法よりも重いので、地盤が強くなければいけません。弱い地盤では地盤改良費が高くなります。

RC工法をよりは建設コストが高くなるものの、柱や梁を鉄骨で作り、鉄筋とコンクリートで強度を増したのがSRC工法です。基本的な特徴はRC工法とほぼ同じですが、RC工法よりも一層頑丈な設計ができるため、高層ビルをはじめとする大型の建物を建てる場合に使われます。一般的に住宅を建てる場合はRC工法がほとんどです。

耐震性の基礎知識

いうまでもなく、耐震性の高い住宅を建てるほど、地震において頑強で損傷を少なくすることができます。

日本は地震大国として知られています。実際に2016年4月の熊本地震、2011年の東日本大地震が発生してしまい、多数の木造住宅が倒壊してしまいました。

耐震性を高める最大のポイントは、構造部を形づくり支える壁が、家全体でバランスよく配置されていること。家づくりにおいては、壁に使われる建材の量や配置が綿密に計算されています。

そして、何よりも家を建てる前の地盤調査も耐震性を向上させる大きな要素のひとつです。せっかく耐震バランスのとれた住まいを建設しても、土台となる地盤が地震に耐えられなければ意味がありません。ここ数年でできた法律では、住宅瑕疵担保責任保険を申し込む際には地盤調査報告書が必要となります。

そのため事実上、家づくりにおいて地盤調査は必須の事項となっています。

耐震等級

日本には「住宅の性能表示制度」があり、建物の構造を示す基準として「耐震等級」がつくられました。近年では、住まいづくりを行なう際には、この耐震等級が注目されるようになってきました。

この耐震等級は1~3まであり、数値が上がるほど、より高い震度の地震に耐えることができます。

  • 耐震等級1:建築基準法に定められているものと同程度の建物
  • 耐震等級2:耐久震度1で想定している1.25倍の地震に耐えることができる。
  • 耐震等級3:耐久震度1で想定している1.5倍の地震に耐えることができる。

通常、耐震等級を1にするためには、法律で定められた簡易的な方法で検証する必要があります。それ以上の等級に該当する住宅を建てる場合には、綿密な構造計算や検証を実施することになります。

耐震の種類は主に3つ

地震に強い住宅を建てる際には「免震」「耐震」「制震」という3つのポイントに注目しておく必要があります。近年では、法律によって定められている耐震基準を厳密に守らなければ認可が受けられません。

国内で最も広く普及しているのは「耐震工法」で、年間約13万棟の住宅で採用されています。また「免震工法」で建てられた建物で注目されているのが、リニューアルされた「東京駅丸の内駅舎」です。

ただ、いずれの3つの工法のどれかが優れているのではなく、バランスのいい住まいづくりをすることが重要になってきます。ちなみに、日本で建てられた住宅をはじめとする建物の、地震などによる倒壊率は外国などと比較しても極端に低いことがわかっています。

建物自体の揺れを抑える(免震)

高層ビルやマンションなどに採用される構造。地震の力を1/3~1/5ほどに軽減することができます。建物の基礎部分に、振動を絶縁する役割りを果たす積層ゴムなどをはじめとした免震装置を入れており、振動が建物に伝導するのを防いでいます。

免震装置には、積層ゴムのほかにも鉛やバネ、ダンパー、ボールベアリングなどがあります。また、これらを組み合わせた免震構造も開発されています。

効果としては、地震のエネルギーを吸収して、ゆるやかな横揺れにします。そうすることで、室内で家具などが転倒する被害を最小限に留めることができるのです。この免震工法が施された建物では、地震の際に食器の落下を最小限に留めることができたという報告も寄せられています。

倒壊、損傷しない(耐震)

最も一般的な構造で、1981年以後に建築された建物は、この耐震構造が施されています。建物の主要部位である壁、柱、床が地震がもたらす振動を受け止める構造となっています。

これらの部位を強固なつくりにすることで倒壊を防ぎ、主要な構造部分がしなることで地震のエネルギーを分散させ、損傷を軽減することができます。約70~80%の地震エネルギーを軽減するといわれています。

耐震のグレードはさまざまであり、コストに応じた構造の建物を建てることが可能。さらにコストを抑えるためには、綿密にバランスよく壁や柱を配置することが重要となってきます。

ちなみに、この構造で建てられた建物が地震に見舞われた場合、1階から2階など、上階に行くほど揺れが大きくなります。

土台で揺れを抑える(制震)

建物の構造に地震のエネルギーを吸収する振動軽減装置を組み込んで、揺れを最小限に抑える構造です。

振動軽減装置のなかには、オイルダンパーがあります。これは、壁や梁などに設置し、地震で揺れが発生するとシリンダーが作動して内部に注入されている粘性の高いオイルが圧縮。その抵抗力で地震のエネルギーを吸収するというものです。

高層ビルなどの高さがある建物に対して、非常に有効な効果を生み出します。主に、オフィスビルやホテルなどの超高層建物で採用されていましたが、近年では、マンションなどでも導入する事例が増えています。得られる効果の割合は耐震構造の70~80%とされています。

同じ鉄骨でも耐震性はちがうのか?

これまで、木造、鉄骨、RC・SRC工法などに沿って、それぞれの耐震性にかんする解説を掲載してきましたが、もうひとつ覚えておいておきたいのが、鉄骨の種類です。

一般的に鉄骨住宅には「軽量鉄骨」「重量鉄骨」という、ふたつの種類があるのです。ちがいは鉄骨の厚さ。6mm未満であれば「軽量鉄骨」。6mm以上の厚さであれば「重量鉄骨」に分類されます。

気になる耐震性においては、じつはどちらが高いといった明確な回答は出ていないようです。

軽量鉄骨は、重量鉄骨と比較すると細くて軽いので、一見すると耐震性が低いとみられがちですが、筋交いを使用するブレース工法などを用いて耐震性を向上させることが可能です。そのため、専門家のなかでも、軽量鉄骨で建てた建物だから耐震性が低いと言い切れないのが現状の認識です。骨組みだけでなく、こうした工法などにも注目しておくといいかもしれません。

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